美少女と妙満寺のツツジ

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不覚にも、木野の駅から徒歩5分の妙満寺への道を迷ってしまった。
向こうから帰宅途中らしい女子高生がやって来た。
「あの、妙満寺さんて、こっちですか?」
女の子はクスリと笑い、「逆方向ですよ」
「ええ~っ!それじゃあ、いつまでたっても、着かない訳ね」
私が溜息をつくと、利発そうなその子は
「うち、妙満寺さんの方角やから、一緒に行きましょう」と言ってくれた。
雨の中、もと来た道を引き返し、途中から左に曲がって、緩やかな坂を上った。

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「ここが、妙満寺さんです」

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門前には、色とりどりのツツジが咲き乱れていた。

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雨に濡れた花の色が艶やかだ。
色白の女子高生は長い睫毛をしばたかせて言った。

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「あれが、仏舎利大塔です。晴れていれば、比叡山が向こうに見えるんやけど」

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「こちらにはよく来るの?」

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「実はうちの弟がこちらの住職の息子さんと同級生で。
うちも子供の頃、よく境内で遊ばせてもらいました」

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「広くて立派なお寺さんね。ツツジも素敵♪東京から来た甲斐があったわ。
で、その息子さん、将来はお父さんの跡を継いで、住職さんになるのかな?」
「う~ん、それはどうか、まだわからへん」

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小首を傾げる少女の、黒目がちの瞳が愛らしかった。
漱石の『夢十夜』に出てくる美女は、こんな感じの女性ではなかったのだろうか。

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「ここまで一緒に来てくれて、ほんとにありがとう」私が頭を下げると
「京都の旅を楽しんでいっておくれやす」美少女は手を振って、家路についていった。
門前の池に、ツツジの影が映っているのをほんの一瞬眺めていた。
再び、少女の去った方角を見れば、もうその姿はなかった。

(撮影5月7日)

妙満寺 
京都府京都市左京区岩倉幡枝町91
電話l:075-791-7171
交通:叡山電鉄「木野駅」より徒歩5分
by kirafune | 2010-05-20 23:56 | 京都 | Trackback | Comments(14)
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Commented by うえっち at 2010-05-22 00:06 x
そんなうっかりすることがあるんですね(^^;)

女子高生が案内してくれたんですか?
私も道に迷いに行きたいと思います(笑)
Commented by たーや at 2010-05-22 01:09 x
こんばんは~お邪魔しています。
kirafuneさんの素敵な出会いには、
京都好きのオーラが手伝った感ありですね。

それにしても妙満寺のツツジって、
こんなに色んな色が咲き誇るのですね。
知りませんでした、実はノーマークでした。
さすがはkirafuneさんです。

でも地元民には、地元民のポイントがあるんですね。
私にもあるのだろうか。
Commented by kirafune at 2010-05-22 21:31
♪うえっちさん

うっかり者もいいとこなんですよ。
だいたい目的地と反対の方角に歩いていることの方が多いです(汗)
でも世の中うまくてきていて、親切な方がいるのですね~。
道に大いに迷ってください。
感激するようないいことが沢山ありますよ!
Commented by kirafune at 2010-05-22 21:36
♪たーやさん

京都好きのオーラが、がんがんに出ていたかも知れません。
今回も京都では、何人もの地元の方に、道を聞きましたが、みなさん親切に教えてくださいました。
この可愛い女子高生もそうですが、ある方は、どしゃぶりの雨の中、1キロ以上一緒に歩いてくれて、わかりやすい所に出るまで、道を教えてくれました。
もう、感激~~!!
京都の方、親切な人が多いです。
地元の方との触れ合いが、旅の醍醐味ですね。

たーやさんからも「地元民のポイント」をいつもブログで教えていただき、感謝しています。

Commented by 都人 at 2010-05-22 23:15 x
妙満寺さんへは、交差点から緩い坂を登られたのですね
その道を更に進むと、以前 母がお世話になっていた施設があります。こちらは、桜に続いて、躑躅も綺麗ですよね~、お散歩コースでした。
仏舎利大塔以外にも、「安珍・清姫の鐘」、雪の庭など
自分は、本堂前から見る比叡山が好きでした。
実相院、円通寺へも よく行きました。
親切なお嬢さんでしたね~(^^)
Commented by kirafune at 2010-05-23 20:30
♪都人さん

そうだったのですか。
あの道の向こうに・・・。
お母様は幸せでした。
孝行息子の都人さんに綺麗な花が咲くお散歩へ何度も連れて行ってもらえたのですから。
きっと毎回、嬉しかったと思います。
実相院へも歩いて行けると、女子高生も言っていました。
今回は時間的に、、有名な「安珍・清姫の鐘」や雪の庭は見られなかったのですが、機会があれば、また訪れてみたい、静かで美しいお寺さんでした。
Commented by shino at 2010-05-24 21:40 x
>色白の女子高生は長い睫毛をしばたかせて言った。
その親切な美少女は、もしかしたら躑躅の精かもと思いました^^
長い睫から雌しべをイメージしたものですから。

親切なお嬢さんに出会えてよかったですね♪
Commented by kirafune at 2010-05-24 22:37
♪shinoちゃん

澄んだ瞳の、とてもきれな子でした。
どうしてあの時、出会ったのでしょう?
ツルっ禿げのおじさんんでも、三段腹のおばさんでもなく・・・。
やはり、躑躅の精だったのかもしれません。

Commented by icewine5 at 2010-05-24 22:38
kirafuneさん、こんばんは。

まさに小説の1ページのような情景ですね!
いまどきそんなお寺の似合う美少女高校生がいるというのもさすが京都ですね~。
お寺さんに身近な知り合いがいるというのも京都らしいエピソード。

徒歩5分の場所で道に迷われたとのこと。私もよくやってしまうので、とっても親近感を覚えました^^;
Commented by kirafune at 2010-05-24 23:24
♪icewineさん

こんばんは!
人生も道に迷ってばかりです^^
でも、必ず救世主が現れます。
大丈夫マイフレンド♪
道は必ず開けます^^
Commented by miyabiko at 2010-05-25 00:38 x
色とりどりのツツジがとってもきれいですね。
目の保養をさせていただきました。
美少女との出会いは偶然ではないような気がしました。
私も方向音痴で、よく道を間違えることがあります。
この前の奈良でも何度かやっちゃいました(苦笑)
Commented by kirafune at 2010-05-25 13:11
♪miyabikoさん

ツツジはひとつひとつは小さな花ですが、群生しているときれいですね。
偶然は必然と最近、よく思います。
道を間違えることも必然だったりして・・・。
何度かやっちゃっても、無事戻ってきているから、お互い大丈夫ですね(笑)
Commented by ログの大好きな徳さん at 2010-05-31 20:04 x
小説の中の話にも似て・・・ 絵にもなりそうな・・・
野暮な徳さんでは こうはいかなかったなぁ。(笑) 
Commented by kirafune at 2010-06-01 06:34
♪徳さん

いえ、徳さん、もっといいことあったかも?!
人生、なにが起こるかわかりませんよ!
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