風景ノ境界 中里和人展
2010年 10月 14日
写真家・中里和人(なかざと かつひと)さんが言った。
知人の母上の俳句が頭をよぎる。
百樹園と呼ばれる庭内には、秋の草花が咲いていた。
どうしても行きたかった写真展の最終日だった。
そこにもし、もうひとつの知られざる異界が存在しているとしたら・・・・。
開発で変貌してゆく東京湾岸景色の危うい不思議さ。
日本各地の手作りの小屋を追った「小屋の肖像」。
いつもの街を独特の視点で切り取った「キリコの街」。
下町っ子には馴染み深い向島の夜の路地さえ、中里さんの手にかかると、見知らぬ外国に見えてくる。
ありふれた町や土地、普通は見過ごしてしまう何でもないもの。
その中に何かの境目をみつけ、日常に埋もれた風景の持つ独特の魅力を提示された。
既成概念に囚われた自分の瞳を一度捨てると、世の中は全く違って見えてくるのか?
「大丈夫。赤ん坊の頃には誰もが見えていたはずだから」と、中里さん。
するとどういう訳か、ギャラリーに入る前とは、庭が何か違って見えた。
ただそこに存在しているだけだったピラカンサの木が、彫像に向かって吠える赤い怪獣になっていた。
私にも風景の隙間の尻尾が掴まえられるだろうか?
待って~、しっぽ!
急いで庭を駆け出した。
(撮影10月11日)
市川市芳澤ガーデンギャラリー
市川市吉澤ガーデンギャラリー(千葉県市川市真間5-1-18) 「中里和人展 風景ノ境界 1983-2010」 8/28-10/11 何気ない日本の景色を独自の美意識で写し取ります。市川市吉澤ガーデンギャラリーで開催中の「中里和人展 風景ノ境界 1983-2010」へ行ってきました。 写真家、中里和人氏のプロフィールについては、同氏のWEBサイトをご参照下さい。 中里和人(なかざとかつひと)Profile 「ULTRA―中里和人写真集/中里和人/日本カメラ社」 さて吉澤ガーデンギャラリーの...... more
妖怪も、見える人にしか見えないですものね!
心の目でしょうか・・・
会場を出ると違った景色に見えることってありますね。
自分が主人公になったりして、、、
特にこんな素敵な庭園ギャラリーでは夢見心地になれそうですね。
トップの作品、シンプルで素敵ですね。
他の作品も観てみたいです。
けれど、今回のkirafuneさんの風景写真も素敵!
どれも堂々として、曇りが無くて素晴らしいです。
萩の花の写真と赤く色付いた葉の色の光と影などが
見事に風景の隙間として切り取られているように
思います。
白い雲が、都人さんには
天女の舞に見えましたか。
私は子供の怪獣が尻尾を振り振り
駆けてゆく姿に見えました。
どうもイメージの捉え方が漫画チックになってしまい
なかなか物事の深淵が見えてきません(汗)
心の目を大切にしたいです。
私も映画を観た後、会場を出ると
自分が主人公の気分になること、あります。
こちらの庭園ギャラリーでは、展覧会の他に
音楽のコンサートなども開催され、庭では
四季折々の草花が咲き、楽しめますよ。
中里先生の作品に少なからぬ衝撃を受けました。
自分がいかに上っ面で物事をとらえていたか
問いかけられたような気もしました。
今までかつて見たことがない、
シンプルで奥深い写真の世界でした。
ありがとうございます^
私の写真はまだまだなのですが、「心の目で撮る」
そのことに気付かせてもらい、こちらのギャラリーに
来てよかったと、心から思いました。
素晴らしい写真に出会えました。
中里先生の唯一無二の写真世界を見て
感動で胸が震えました。
素晴らしかったです。
旅する徳さんは、いつも沢山の感動に
出会われているではないですか~。
遠くに行くのもいいですが、自己の意識を変えれば
たとえ身近な景色でも、いつもとは違ったものに
見えてくるから不思議です。
人生そのものが旅だとしたら、毎日の生活の中にも
深い何かが隠されているかも知れないですね。
それをみつけるのも、また楽しいです。
いつでも心の目を大きく見開いて、身体ごと感じることが出来れば世界は広がり、変わるものなのでしょうね。
雲のお写真は、私には天使のように見えました♪
いつも大きな瞳でいろいろな風景を見つめて
俳句を次々とものしていらっしゃるshinoちゃんは
きっと全身で外からの刺激を受けとめられて
shinoちゃんワールドを創作されているのでしょうね。
その感受性の鋭さにいつも驚きを隠せません。
雲の写真は天使!
英国の友人が女友達の大切さを謳った英語の詩を
送ってきてくれたのですが、その中に、天使が出てきます。
とても感動的な詩なので、後ほどメールさせていただきますね。
中里さんの作品は初めて拝見しましたが、空間の切り取り方、そして色の鮮やかさなどにとても惹かれました。向島、仰るように外国のようでしたね。
こんばんは!
こちらこそ、TB&コメントをありがとうございました。
はろるどさんが行かれた時も、中里先生はいらっしゃったのですね。
先生のお話によると、以前にドイツのハンブルグで個展を開催したときに、夜の向島の写真を現地の方々が、「ハンブルグの街かと思った」と感想を言ったそうです。
写真の持つ奥深さがドイツの人たちにも通じたのですね。
はろるどさんはよく展覧会に行かれているようですね。
私も、はろるどさん程ではないですが、月に数回行きます。
今後ともまたよろしくお願いします。