NOUS(ヌース)~京都のユートピア~
2017年 08月 10日
男の子なら、子ども時代に一度は手にしたであろうミニカー。
遊びの世界にいるときだけ、子どもは生と死を超えたユートピアにいることができた。
京都・夷川通の「パラボラ」のお隣に店を構えるアンティークショップの「NOUS(ヌース)」さん。
年に何度かヨーロッパへ買い付けに行くというご店主は、京都の一角にうっとりするようなユートピアを出現させてしまった。
幼年時代を懐かしむのは、その年齢で死んだ自分を思うのと同じこと。
ある作家がそう言っていたのを思い出した。
人はつい、なんでも自分の側に引き寄せて物事を考えててしまいがちだ。
最近、まだ30代のご子息を亡くされた、元ボスからお手紙が届いた。
「一人息子を亡くして可哀想と他人から同情されるのが最もつらい」と、万年筆で綴られていた。
ニーチェは「同情はあつかましい」とその著書の中で書いている。
他者の不幸を同情する感情には、巧妙に仕組まれた正当防衛という自分の心が含まれていると哲学者はいう。
私にもミニカーを幼い頃買ってあげた息子がいるので、逆縁のつらさは想像できる。
もし、手塩に掛けて育てた息子が、自分より先に逝ったなら。。。
同情してはいけない。
亡くなったご子息は、永遠のユートピアへ旅立たれたのだから。
NOUS(ヌース)とは、 古代ギリシャ哲学において、「心」という意味もあるそうだ。
NOUS(ヌース)
京都市中京区天守町742 インテリア稲井ビル1階
電話:075-256-3356
営業:13:00?20:00
休み:火曜・水曜