真如堂の桜案内

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いいから、ついといで。

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ニャンコのあとを追っていくと、三重塔の裏手で大きな枝垂れ桜がその姿を現した。

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秋には紅葉で有名な真如堂。
境内には、桜の木も数十本程ある。
本堂を覆うかのように咲く桜花。

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紅枝垂れも咲き、

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元三大師堂の前でも、大らかに枝を広げて春が咲いていた。

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人影もまばらな春の真如堂は、猫が花先案内してくれる、メルヘンチックな空間だった。

(撮影4月4日)
 
真如堂(真正極楽寺)
京都市左京区浄土寺真如町82
電話:075(771)0915
拝観:9:00~16:00
料金:大人500円 (境内無料)
# by kirafune | 2010-04-26 06:18 | 京都 | Trackback | Comments(16)

洛中桜巡り

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ぼくらはずっと見ていたよ。
六角堂の御幸桜が、この春のために、一年間せっせと幹の中で準備していたのを。

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それは、千本釈迦堂のおかめ桜とて、同じ。
桜の木の全体が、一時も休むことなく続けた、花を咲かせる活動の全て。
それらが、花の色となって現れていた。

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桜で糸を染めると、「匂うように美しい桜色に染まった」
染色家の志村ふくみさんは、著書にそう書いている。
草木染めの桜色は、花びらから煮出しているのかと思っていたが、実際は違うらしい。
桜色ではない木の皮や枝で染めている。
それも、花咲く直前の樹皮や枝でないと、艶のある桜色が出ないそうだ。

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西陣にある本隆寺さんの静かな境内でも、桜が枝の先々まで、花を咲かせていた。

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上品蓮台寺の紅枝垂れ桜は、正にこれから艶のある桜色の枝を空に向かって広げようとしていた。

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桜の名所、平野神社にも出かけた。
数年前に山口の両親を京都に招待し、ここ平野さんで花見をしたことがある。

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その時は北野天満宮の南側からぐるっと回って、平野さんの境内に入った。
今回は京都の友人に、平野さんから北野さんの北門に抜ける近道を教えてもらった。
あの時、この道を知っていれば、両親をあんなに歩かせることはなかったのに・・・。

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夕陽が平野神社の桜苑を染める。
地面から天に向かって伸びた幹の中から、命の精髄を全て注ぎ込んで生まれた花の色。
この桜色の光景を父と見ることは、もう叶わない。
今春、父は病に苦しんだ後、西の方へ逝ってしまった。

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もし、一人で平野さんの「寝覚桜」を眺めていたら、泣き出してしまったかも知れない。
一緒にいてくれた友達に感謝したい。
願わくば、仏の国での父の寝覚めが、素晴らしいものでありますように。

(撮影4月3日)
# by kirafune | 2010-04-24 23:40 | 京都 | Trackback(1) | Comments(18)

醍醐の花見

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今頃、ドラマはすでに果てているだろう。

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今年も醍醐の花見に出掛けた。

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真昼の花盛りに薄紅色の参道を歩く。
樹の下は、人・人・人でごった返していた。

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人混みに右往左往しながら、それでも人は、桜の樹の下に立つ。
立って、上を見上げる。

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一年がかりで花を咲かせた桜の気持ちが、嬉しさが、人の心に染みてくる。
生き物同士の切なさを、樹と人が分かち合う瞬間が、そこにはあった。

(撮影4月3日)

醍醐寺 報恩院
京都市伏見区醍醐東大路町22
電話:075-571-0002
時間:9:00~17:00
料金:無料
# by kirafune | 2010-04-21 23:25 | 京都 | Trackback | Comments(18)

勧修寺の春景色

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白壁と桜の競演が見たかった。

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京都の友人のおすすめで、山科の勧修寺(かじゅうじ)を訪れた。

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中門をくぐるのは、氷室池に咲く睡蓮を見に来て以来だった。

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海棠の花が楊貴妃になりかわって、広大な池泉庭園へと手招きしてくれた。

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観音堂が桜に包まれていた。

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夏には睡蓮で華やぐ氷室の池も、今は春の色に染められている。

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もの思う心と共に観音堂に立ってみれば、

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人に悟られないように、桜がそっとそれを隠してくれる。

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切なくも奥ゆかしい春の景色だった。

(撮影4月3日)

勧修寺
京都市山科区勧修寺仁王堂町27-6
電話: 075-571-0048
拝観:9:00~16:30
料金:400円
交通:地下鉄東西線小野駅下車徒歩約5分
# by kirafune | 2010-04-18 23:10 | 京都 | Trackback(2) | Comments(18)

毘沙門堂の桜

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山科の春は明るかった。

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ちょっと落ち込み気味だった心の奥底にも、春光が射しこむ。

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二人の友との再会を喜びながら、山科疎水の道を歩いた。

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向かった先は、毘沙門堂。
ホーケキョケキョケキョ♪
頭上では、鶯の谷渡り。
山門の向こうには、どんな光景が広がっているのだろう?

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樹齢百数十年、一目千両の枝垂れ桜が満開だった。

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さっきから、上ばかり見ている自分がいた。

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もう一度振り返ると、枝垂れ桜が陽の光を浴びて、輝いていた。

(撮影4月3日)

毘沙門堂
京都市山科区安朱稲荷山町18 
電話:075-581-0328
拝観:8:30~17:00
料金:境内無料(拝観料:大人500・高校400・小中学300) 
交通:JR・京都市営地下鉄東西線山科駅、京阪線京阪山科駅から北へ、徒歩15分
# by kirafune | 2010-04-16 07:32 | 京都 | Trackback | Comments(18)

大松清流亭の紅枝垂れ桜

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京都の朝は静かだ。

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青空の下、南禅寺界隈のお屋敷町を歩く。

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ここは私にとって、とっておきの散歩道。

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野村別邸東側にある大松清流亭では、春になると、美しい紅色の光景が広がる。
物思いに耽りながら、ひとり歩んでいると、

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交通事故で亡くなったと風の便りで聞いた友人が、突き当たりの角を突然曲がっていくのが見えた。

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慌てて追いかけるも、すでにその姿はなく、見上げれば、空一面の桜。
そよ風が吹き、枝垂れが揺れた。
なかなかもの忘れできない心が見せた幻影か、それとも桜の精の悪戯なのか。
眩暈を感じ、暫くその場を動けなかった。

(撮影4月3日)
# by kirafune | 2010-04-14 23:09 | 京都 | Trackback | Comments(10)

雲母(きら)の舟が出ます♪

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行く川のながれは絶えずして

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しかも本の水にあらず。

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よどみに浮ぶうたかたは

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かつ消えかつ結びて、

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久しくとどまることなし。
By 鴨 長明 「方丈記」

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生きとし生けるもののすべては、うつろいゆく儚さを持つ。
だからこそ、その一瞬の輝きが美しい。
今年も命のキラキラを求めて

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春の京都に

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行ってきました。

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さあご一緒に、雲母(KIRA)の舟に乗って、キラッと光る揺らぎの瞬間をみつけに行きませんか?
# by kirafune | 2010-04-11 16:05 | ご挨拶 | Trackback | Comments(16)