有栖館 夏の特別公開

不思議の国のアリスもびっくり。
秀吉が醍醐の花見をした当時の枝垂れ桜の孫が、三宝院から株分けされ、有栖の館で枝を広げていた。



ここは京都に今も残る、宮家の旧邸「有栖館」。
３００年の系譜を持つ有栖川宮家は、大正時代に絶家となってしまった。

京都御苑に隣接したこの宮御殿は、今、平安女学院大学が管理している。

広々とした書院造りの建物が、幕末から大正にかけての宮家の面影を伝えていた。

庭は、植治の11代小川治兵衛の作。
庭越しに煉瓦造りの聖アグネス教会が見えた。

中庭も、緑の苔と白砂が鮮やかなコントラストを見せている。

平安女学院といえば、日本で初めてセーラー服を制服として導入した学校だ。
かつての女学生の誰かも、ひょっとして宮家に招かれてこの円窓から庭を見ただろうか？

乙女のような清らかな水が蹲から溢れていた。

ひっそりと息づいた宮家の美意識を冷房のきいた御殿で堪能した。
京の夏旅の一頁。

（撮影８月１５日）

平安女学院大学　有栖館　－有栖川宮旧邸－　特別公開
開催：2010年7月10日～9月30日