向田邦子の「行きつけ」

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1981年8月19日、今からちょうど30年前の夏。
作家の向田邦子が日本で最後の夕食を食べたのが、ここだった。



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表参道の入り口、明治神宮前のマンション1階にその店はある。
「重よし」

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食通の向田さんが飛行機事故で亡くなる3日前まで通いつめていた和食店だ。

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作家はあの日も、友人とふたりでこの店にやってきた。

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そして、いつもどおりカウンター席に座った。

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料理は注文しない。

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大将の佐藤憲三さんが向田さんの好きそうな献立を、前回とは違う形で卓に並べてゆく。

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「明日から台湾に行くの」

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刺身やアジの干物などを食しながら、作家は言った。

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私の母が向田さんの「行きつけ」に連れて行ってほしいというので、今回誕生祝いも兼ねて行ってみた。

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決して華美でも、豪勢でもない。
シンプルで上品な味わいが、かえって贅沢なものに思えた。

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「行きつけ」の店があるというのは、実際、粋なことだ。
自分の好きな食事をしてから、作家は旅立っていった。

重よし
東京都渋谷区神宮前6-35-3 コープオリンピア 1F
電話:03-3400-4044
営業:12:00~13:30 /17:30~22:00
休み:日曜日
交通:JR「原宿」駅・地下鉄「明治神宮前」駅から徒歩数分
by kirafune | 2011-08-10 07:28 | 東京グルメ | Trackback | Comments(18)
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Commented by 寅次郎 at 2011-08-10 12:31 x
雲母舟さん、親孝行なさいましたね。
JR原宿駅近くの「重よし」さん。
品があり、また、私にも気軽に入れそうな店です。
「江戸の粋」、それをパスワードにして頭の中に入れておきましょう。
Commented by mint at 2011-08-10 17:29 x
こんにちはぁ^^
落ち着いた大人なお店ですね。
花の生け方も、洗練されていて素敵。
記事を拝読して、思わずジーンとしてしまいました。
向田先生も、それはそれは無念ではあったと思いますが
こちらの大将もきっと哀し嘆いた事でしょうね。
勝手な言い方かもしれませんけど
行き付けのお店で美味しいお料理を食べれていた事が
せめてものの救いだったのかもしれませんね。

親孝行なんて、全くしてないなぁ^^;
そう言えばもうすぐ私の母も誕生日ですわ(笑)
ど、どうしましょ・・・
Commented by しずこ at 2011-08-11 00:27 x
あれからもう30年経つのですね。
当時、向田さんの作品を好んで読んでいた私ですが、
突然の訃報にかなりショックを受けた記憶があります。
つい数日前、その頃集めた向田さんの本の背表紙を眺めながら、
読返してみようかと思っていたところでした。
だから、雲母舟さんの記事にビックリ!
向田さんがカウンターに座っている
粋なお姿を想像しました。

お母様も念願叶ってさぞかし喜ばれたことでしょう。
私も少しは親孝行しなくっちゃ^^;
その前に・・・
私も例の行きつけの店に行きたくなりました(笑)
Commented by kirafune at 2011-08-11 06:51
♪寅次郎さん

親孝行したくても親はなし
となったら後悔するので、
今のうちに出掛けました。
「私、行きたいなんて言ってたかしら」と
お店で母が言うのです。
とぼけてるのは、似た者親子だから、
しょうがないですね^^
Commented by kirafune at 2011-08-11 07:01
♪mintさん

おはようございます!
「行きつけ」って、大人の響きですね。
花が店のあちこちに活けてありました。
向田さんはお店に傘の忘れ物があったそうですが、
永遠に持ち主には戻らず、形見に
女優の岸本加世子さんが受け取ったそうです。

もうすぐmintさんのお母様のお誕生日だそうで。
うちの父もこの間だったのですが、
当日まですっかりそのことを忘れていて
気付いたのは夕方。
慌てて父の好きな焼酎を買い、
夜に実家へ届けました。
喜んでいました。
親子なので、言葉だけでも
気持ちが伝わるものです。
mintさんもお母様に何か声をかけてあげてください。
照れくさいかもしれないけれど。
親の立場からすると、もうそれだけでも、
泣くほど嬉しいものです。
Commented by kirafune at 2011-08-11 07:08
♪しずこさん

あっ、しずこさんも、向田作品を
好んで読んでいた口ですね~^^
わかる、わかる。
向田さんの本には、普通はおおっぴらに
言ってはイケナイことがた~くさん
書いてあります。
人間の弱さとか、可愛さとか、あくどさとか
日常のディティールを提示しながら
さりげなく、でも鋭く描写してありましたね。
その筆遣いが、天才的で何度も唸りました。
惜しい人を亡くしたものです。
私は、また全集を読み始めています。
2、3年前に出たのですが、面白いですよ。
Commented by limecafe at 2011-08-11 12:34
おはようございます。
向田邦子さんのエピソードと親孝行のいいお話、感銘を受けました。
私もそろそろ親孝行の一つでもしなくては、と気付かせていただきました。
といってもkirafuneさんのようなおしゃれな機会もないのですが・・・^^。
Commented by teko-0411 at 2011-08-11 17:08
私は向田邦子さんに特別な思い入れは無いんですが、それでも、
この雲母舟さんの記事を読み、一人の人間の人生の一片に触れたような気がして、感動してしまいました。
向田邦子さんの作品、ちょっと読んでみようかなぁ・・・。
Commented by borderlines at 2011-08-11 18:30
「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」「あ、うん」「阿修羅のごとく」とと話題
作を次々世に出し、航空機事故で非業の死を遂げた向田さん。もう、そ
んなにたつんですねえ。
あの頃のドラマは向田作品だけでなく本当に楽しめるシナリオ作家が目
白押しだった気がします。(遠い目)
Commented by wwmc at 2011-08-11 19:20
いいですねえ、、、これぞ粋・・・
それぞれの一品が、ほんの少しずつというところが実に心憎いです。
カウンターに座ってみたい、そんな気になる素敵なブログです。
Commented by しなこじ at 2011-08-11 20:48 x
もう30年にもなるのですね。
素敵な方でした、もちろん面識などありませんが・・・。
妹さんのお店が赤坂にあり時々行きましたよ、
お酒を楽しむお店でした、ずいぶん昔のことです。
たくさん”親孝行”して下さい!
Commented by kirafune at 2011-08-12 23:42
♪limecafe さん

こんばんは!
そんなに洒落たものでもないのですが、
いつも苦労をかけているので
たまの誕生日くらいと奮発しました。
今年も行けてよかったです。
また、来年・・・。
Commented by kirafune at 2011-08-12 23:47
♪tekoちゃん

向田さんの全盛期、tekoちゃんは
まだ生まれてなかったかも知れないですね。
今も人気のある作家さんです。
この間も渋谷でランチをしていたら
隣りのテーブルの女性たちが
向田さんのことを話題にしていました。
若いころにさんざん読んだとか、
ドラマに夢中だったとか。
亡くなって30年。
まだ人々の話題にのぼる、魅力的な小説家でした。
Commented by kirafune at 2011-08-12 23:52
♪ borderlines さん

懐かしドラマの題名。
「あ、うん」の小説、最近読み終わったばかりです。
「阿修羅のごとく」は父が好きでよく見ていました。
テーマ曲がトルコの音楽で、子供ながら
耳に残っています。
あの頃は、胸にじんと響くいいドラマを
放送していましたね。
最近は・・・。
今日は、娘たちと一緒に
「美男です!」を見てしまいました(^^)
Commented by kirafune at 2011-08-12 23:54
♪wwmcさん

こんばんは!
wwmcさん、こちらのカウンター席が
お似合いになりそうです。
食器は美術倶楽部というオークションで揃えた
いいものがありました。
Commented by kirafune at 2011-08-12 23:57
♪しなこじさん

向田さんの妹の和子さんのお店も
もう何年か前に閉められてしまったそうですね。
赤坂にあったのですか~。
きっと、向田さん好みのお店だったのでしょうね。
私も行ってみたかったです。
Commented by shino at 2011-08-16 00:33 x
素敵な佇まいのお店ですね。
お母様、きっと喜ばれたことでしょう。

以前、向田さんの「阿修羅のごとく」をお芝居で観たことがありますが、小説はもちろんのこと、ドラマでもお芝居でも見応えがあったことを思い出しました。

お店は、貸切だったのですか?^^
Commented by kirafune at 2011-08-17 09:11
♪shinoちゃん

「阿修羅のごとく」は凄みのある
面白いドラマですね。
お芝居だと、またテレビとは違った演出に
なっていたのでしょうか?

こちらは大人のお店でした。
お昼はお弁当の仕出しが多いらしく
お客は私達親子だけでした。
貸し切りみたいなものですね^^
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