うかりける 身を秋風にさそわれて
その昔、後醍醐天皇が行幸した、もうひとつの京都「笠置寺(かさぎでら)」へ
この秋、紅葉狩りに出かけた。
修行場とは一体?!
「笠置」という地名の由来となった「笠置石」。
671年、鹿狩りに来山された天智天皇の皇子が、巨石から馬もろとも滑落しそうになった時に仏に助けられた。
その御恩返しに助けてくださった仏のお姿を巨石に刻むことを約束し、
後日訪れた際の目印としてかぶっていた笠をこの石の上に置いて帰られたことが始まりという。
巨石が行く先々で現れる。
東大寺「お水取り」の発祥の地とされる「正月堂」から
高さ 15 mの壁面に刻まれた弥勒菩薩立像を眺める。
弥生人によって崇拝された巨石に、飛鳥時代になって仏が刻まれた。
それから、1300 年におよぶ歴史は栄枯盛衰。
現代の私たちが訪れる笠置寺の巨石は、謎に包まれた不思議空間だった。
いつ、誰が、どのようにして、こんな巨大な石に仏を刻んだのか?
「胎内くぐり」まであった。
こんな細い穴を通り抜けることができるかしらん。
どうしよう、途中でつっかえて出られなくなったら?
その時は救急車じゃなくて、消防車を呼んでもらおう。
火事場の馬鹿力で助けだしてもらおう。
なんとかすり抜けた。
最後は「ゆるぎ石」という巨石の上に立った。
笠置山の東が望めるこの地は、秋から冬にかけて雲海のベストポイントとなるという。
石がゆるいだら、落ちそうで足が震えた。
巨石の修行場をくぐりぬけた先には、ご褒美のような「もみじ公園」が待っていた。
ここは笠置山の頂上で、「後醍醐天皇行在所(ごだいごてんのうあんざいしょ)があった所。
後醍醐天皇は京の都を追われ、この地に三種の神器とともに行幸された。
南朝の皇居だった場所が、令和の今はわんちゃんのお散歩コースになっていた。
京都の中心から離れた静かなもうひとつの京都で後醍醐天皇は何を想ったか。
この地で天皇が詠まれた歌が残っている。
「うかりける 身を秋風にさそわれて 思わぬ山のもみじを見る」 by後醍醐天皇
(撮影:2023年11月24日)
京都府相楽郡笠置町笠置笠置山29
電話:0743-95-2848
拝観:9:00〜16:00
料金:大人300円
交通:JR関西本線 笠置駅より徒歩45分
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